【バレー】五輪出場権獲得にも、突きつけられた厳しい現実
セルビア戦でようやくその力を発揮した荒木絵里香 ロンドン五輪世界最終予選女子大会は、最終日の最終戦、日本がセルビアから2セットとったことで、上位3ヵ国を除いたアジア最上位となり、辛くもオリンピックへの切符を手に入れた。
後半戦3試合を振り返ってみると、まずはエース木村沙織の不調が目についた。第5戦は世界ランキング10位のキューバにフルセットでようやく勝ったが、木村の決定率は37%。レセプション(サーブレシーブ)はキューバの強いサーブに狙われて28.89%と落ち込んだ。もっとも、キューバのカルロス監督いわく「試合を決めたのは、第1セット終盤の日本の8連続得点」で、その連続得点を導いたのは木村のサーブからだったが。
総合的に見て、この試合を救ったのは途中出場の迫田さおり、平井香菜子、新鍋理沙の3人だった。特に迫田は途中出場ながら最多得点の20得点を叩き出した。持ち味のバックアタックがおもしろいように決まった。
「ユニフォームを着させてもらっているからにはいつ出てもいいようにしている。途中から入るということは、コートの中を変える役割でもあると思うので、自分がコートに入ったら、少しでもコートのリズムを作れるようにと思って入っています。数字的には、点数をとらせてもらって、でも(木村)沙織さんやリョウさん(佐野)や(新鍋)理沙が、相手チームの強いスパイクを拾ってくれて、テンさん(竹下)が必死に上げてくれて、決められてよかったと思います」
しかしこの試合のセンターの得点は、フルセットで4得点のみ。日本のレフト偏重の攻撃パターンが見えた試合でもあった。
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