【バレー】五輪出場権獲得にも、突きつけられた厳しい現実 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 続くロシア戦は、木村のこのコメントに尽きる。

「今日は本当にしっかりサーブで攻めれたところはよかったんですけど、ラリーになったときに、ディフェンスが上がっているのに点数につなげられなかったことが残念です」

 日本が強化してきたサーブが走り、なんと3セットで12本ものサービスエースが生まれた。また、前半で本来の調子が出ていなかった佐野が要所でディグ(スパイクレシーブ)をしっかりと上げた。しかし常にロシアにリードを許し、時折り追いつくものの一度も先行することはできずに、結果はストレート負け。せっかくディグを上げても、木村や江畑がスパイクを決めきれず、ロシアに切りかえされて得点される場面が目についた。

 ロシアの主砲、202㎝のガモワにブロックの上から打ち抜かれただけでなく、ベテランのエステス(旧姓アルタモノワ)にもスパイクを決められ、撃沈した。木村のスパイク決定率は27.50%、江畑は34.29%だった。眞鍋監督は「今日はサーブ、サーブレシーブ、ディフェンスもきちんと機能しました。最終的にはロシアのブロックにやられたなという感じです」と振り返った。

 最終日、タイがキューバに3-1で勝利したために、自力でオリンピックの切符を勝ち取るしかなくなった日本。条件は、2セット以上をとって勝ち点1以上を獲得すること。相手のセルビアは、日本に勝つことが絶対条件だった。


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