錦織圭と過ごした壮絶な2年間 逃げ出したい厳しいトレーニングでも「帰りたいという言葉は一切、聞かなかった」 (4ページ目)
【帰国して「やっと自由になれた」】
「夜は21時に完全消灯。電気をつけていたら怒られるんですよ、見回りが来て。だから、光がもれないように布団を頭から被って、隠れてパソコンを見たりしていました。でも疲れているから、結局は寝ちゃうんですけどね。
本当に毎日きつかったから、僕は日本に帰りたくて仕方なかった。でも圭からは、嫌だとか帰りたいという言葉は一切、聞かなかったですね」
やっぱり変わっていますよ、彼──そう言い、喜多さんが不思議そうに笑った。
渡米3年目を迎えた時、喜多さんは帰国する。
「やっと自由になれた」
真っ先に胸を満たしたのは、そんな思いだった。
(つづく)
◆喜多文明の視点(3)>>「18歳でトップ5の選手に勝つとか、ありえない」
【profile】
喜多文明(きた・ふみあき)
1989年1月21日生まれ、埼玉県出身。5歳からテニスを始め、2000年に全国小学生テニス選手権で優勝を飾る。中学時代に錦織圭らとともに渡米し、フロリダのIMGアカデミーへテニス留学。世界のトップジュニアの環境で研鑽を積む。帰国後、慶應義塾大学に進学し、1年生で全日本学生テニス選手権(インカレ)男子ダブルスを制覇。大学卒業後にリコーへ入社し、実業団で長年活躍。現在は同テニス部男子チームの監督を務めている。2010年全日本テニス選手権男子ダブルス準優勝。JTAランキング最高13位(ダブルス)。身長170cm。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
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