大坂なおみは「2年前のレベルに戻れたとしても、同じ結果が得られるとは限らない」海外ジャーナリストは復帰戦をどう見たか (2ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki

【大坂なおみの新パートナーは彼女のパワーに驚いた】

 マイルズ氏が大坂の帰還に深い関心を抱いたのは、大坂のヒッティングパートナーを務めているのが、元カナダ代表メンバーでもあるフィリップ・ベスターであることも大きい。現在35歳のベスターをジュニア時代から知るマイルズ氏は、『チームなおみ』の新メンバーから以下のコメントを引き出した。

「なおみはロサンゼルスで、一緒に練習できるヒッティングパートナーを探していたそうです。その際にテニス仲間から僕の話を聞いたということで、エージェントを介して僕のところに連絡が来ました。

 僕が加わった練習初日から、彼女は凛としていました。とても集中し、同時にコート上でたくさん笑顔も見せていました。彼女と僕がうまく噛み合った要因は、おそらくお互いに地に足がついていて、謙虚で物静かな人間性が似ているからだと思います」

 さらに、大坂のプレーについては、ベスターは次のような印象を抱いたという。

「彼女のパワーには驚かされました。打つボールは威力があり、非常に爆発力のあるアスリートです。同時に、最初の練習で最も感心させられたのは、彼女の予測能力の高さ。そして、ボールを異なるコースに打ち分ける能力でした」

 コーチとしての経験も持つベスターには、大坂自身がアドバイスや意見を求めてくることもあるという。そんな新ヒッティングパートナーがいかに大きな存在であるかは、今回のオーストラリア遠征に帯同していることからもうかがえる。

 その新チームの練習の様子を見ながら、マイルズ氏は次のように感じたという。
 
「チーム内の雰囲気はとてもよく、大坂も、とても明るい表情をしていました。練習では、ボールを打つのと同じくらいの時間を、ストレッチやウォーミングアップに費やしていたのが印象的でした。

 またトレーニングでは、まだ不慣れな様子の大坂を見ることもできました。出産はテニス選手にとって重要な体幹の筋肉に影響を及ぼすので、その部分を鍛えることは今後も非常に重要になってくるでしょう」

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