加藤未唯は「失格後」の混合ダブルスにどんな思いで臨んだのか 逆境からの優勝に「ようやく笑えて」スピーチにはいろんな思いを込めた (5ページ目)
親から子へと受け継がれたテニスへの愛情や歴史に触れ、加藤は少女に、「将来、あなたの子どももボーラーになれたらいいね」と伝えたという。
「テニスを辞めるしかないかも」との失意から、「こんなかたちで終わりたくない」の心の声に従い出場した混合ダブルス──。
結果、彼女が得たものとは、グランドスラムチャンピオンの肩書き。さらには、『自らの声』に呼応した人々の思い。そして「将来、自分の子どもとフレンチオープンに来られたら」の願いを込めた、『ラスト8クラブ』のパスだった。
(後編につづく)
◆加藤未唯・後編>>開幕の全米OPに期待「今年はWTAファイナルズ出場を狙っている」
【profile】
加藤未唯(かとう・みゆ)
1994年11月21日生まれ、京都府京都市出身。8歳からテニスを始め、2013年10月にプロ入り。2017年の全豪オープン女子ダブルスでは穂積絵莉とのペアでベスト4進出。2018年の東レPPOでは二宮真琴とのペアでツアー初優勝を果たし、2023年6月の全仏オープン混合ダブルスではティム・プッツ(ドイツ)とのペアでツアー2勝目。身長156cm。利き手=右、バックハンド=両手打ち。キャリア自己最高ランキングはシングルス122位、ダブルス30位。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】テニスプレーヤー加藤未唯「私服撮り下ろし&全仏オープン」フォトギャラリー
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