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大坂なおみが歓喜を爆発させない理由。
目指すはレジェンドよりレガシー (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 だって、これが自分のベストプレーだと思いたくなかったし、見ている人にも、そういうふうに思われたくなかったから。私のベストは、もっと先にあると感じたかった」

 それが、16歳の無名のルーキーが元全米オープン優勝者から大金星をもぎ取った時、真っ先に頭に浮かんだ思考だった。

 そのセンセーショナルなデビューから、約4年半後。

 昨年の全豪オープンを制し、世界1位に上り詰めることも決まった時、周囲は「あまりに早く訪れた栄光に、戸惑いを覚えないか?」という趣旨の質問を繰り返した。

 そのたびに彼女は、やや怪訝そうな色を目に浮かべ、小さな笑みを口の端に浮かべながら「早すぎるとは思わない。私の時間は、みんなより速く流れているのかもしれない。むしろここに来るまで、とても長い時間がかかったと感じる」と答えている。

 20歳でのインディアンウェルズ優勝も、「永遠の憧れ」の存在であるセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)を破って手にした全米オープン優勝も、そして21歳にして達した世界1位の座も、彼女にとっては始まりにすぎない。

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