コロナの猛威はウインブルドンにも。中止を決断させた「繊細な」芝問題 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 伝統と歴史を重んじるウインブルドンの中止は、当然ながら多くのプレーヤーや関係者たちに衝撃を与えた。

 大会最多8度の優勝を誇るロジャー・フェデラー(スイス)は、「今の気持ちを表現するGIFはない」と書かれたGIF画像をツイッターにアップ。昨年の女子優勝者のシモナ・ハレプ(ルーマニア)も「とても悲しい」とツイッターにつづったが、「前向きに考えれば、ウインブルドンのタイトルをより長く保持できるということ」とポジティブに締めくくった。

 ウインブルドンの中止に伴い、男女のツアー大会、さらに国際テニス連盟主催の試合もすべて、7月13日までの中断が決まった。誰もが戸惑いと落胆のなかにいるのは間違いない。

 それでも、寄付やチャリティオークションなどで新型コロナウイルスとの戦いを支援し、ソーシャルメディアで自宅待機を訴える彼・彼女らの願いはひとつ、「何より大切なのは、家族や愛する人たちと過ごす時間、そして人々の健康」だ。

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る