2020.04.05

コロナの猛威はウインブルドンにも。
中止を決断させた「繊細な」芝問題

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

“ザ・チャンピオンシップス”。

 広く”ウインブルドン”として知られる大会の、それが正式名称である。

 国名やスポンサー名も必要としない。王座をかけて戦う大会の一般名詞である”Championships”に、唯一無二を意味する”The”の定冠詞。

ウインブルドンは芝の伝統を守り続ける唯一無二の大会 1868年に6人の紳士により、英国ロンドンの郊外に創設されたクラブで、記念すべき初のザ・チャンピオンシップスが開催されたのは1877年のこと。当時の参加者はクラブメンバーやその友人のみで、それも男子に限られた。

 そこから長い歴史を経て、大会規模は果てしなく拡大した。だが、それでも依然として大会は「オールドイングランドクラブ」によって運営され、ザ・チャンピオンシップスは”ローン・テニス(芝)”の伝統を遵守する唯一の4大大会として、威厳と矜持を堅持している。

 その伝統と格式のザ・チャンピオンシップスが、今年、中止されることになった。理由はもちろん、いまだ終息の目処の立たぬ新型コロナウイルスのためである。