西岡良仁はジョコビッチ戦で学んだ。
東京五輪へ「ベースアップ」意識 (2ページ目)
ジョコビッチのファーストサーブの確率は74%で、サービスエースは17本、ファーストサーブのポイント獲得率は93%にまで達した。「こんなにリターンでポイントを取れなかったのは初めて」と語った西岡は、ジョコビッチのサーブを1回もブレークできずに敗れた。それでも、今回の全豪で初めてグランドスラムの3回戦に進出し、ステップアップできたと言える。
身長170cmと小柄な西岡の持ち味は、ツアー屈指の俊足と左利き独特のグランドストロークだ。懐の深いフォアハンドストロークはトップスピン系、バックハンドストロークはフラットドライブが武器。岩渕聡デビスカップ日本代表監督は、西岡の成長を次のように分析する。
「明らかに力強くなっている。今まで持っていたディフェンスと粘り強さにフォアでの攻撃の速さがプラスされ、甘いボールに対して迷いなく攻めることができる。対戦相手にさらにプレッシャーを与えられる選手になった」
今回の全豪で西岡らしさが出たのは、2回戦のダニエル・エバンズ(32位、イギリス)戦だろう。強風が吹き荒れる中、プレーが難しい状況ではあったが、どちらがシード選手なのかわからないほど、西岡の冷静な試合運びが光った。
この試合の西岡のファーストサーブの確率とファーストサーブでのポイント獲得率は、ともに75%。ウィナーの数は、西岡が23本でエバンズが32本。ミスの数は西岡が19本、エバンズが39本だった。このスタッツから見えてくる自身のテニスの特徴を、西岡は次のように語る。
「アンフォースドエラーが少ない。このレベル(グランドスラム)では、相手にウィナーを取られるので気にしない。いかに相手にミスをさせるか、大事なところで打たせないようにするかが大事だと思っている」
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