大坂なおみが語ったSNSに長文を
投稿したきっかけ。「衝撃的だった」 (3ページ目)
「私に近い人たちは、誰も『ディフェンディング・タイトル』という言い方をしない。『別のタイトルを取りに行く』と考えている」
それが、世界1位として今大会に挑む、彼女の心の現在地だ。
憧れに輝く子どもたちの瞳は、かつて同じ光を目にたたえ、夢を追った幼き日を彼女に想起させた。
ならば今、ふたつのグランドスラムと世界1位を手にした彼女は、目覚めた時に「夢をすべて叶えてしまった」と感じる朝はないのだろうか――?
いくぶん意地悪なその問いを、彼女は目を丸くして、「No no、そんなことはまったくないわ!」と言下に否定する。
「だって私には、まだまだたくさんの目標があるもの。グランドスラムで勝ったことがない時は、ひとつほしいと思っていた。ひとつ勝てば、ふたつ目がほしいと思う。そして今は、キャリア・グランドスラムを達成したい。それが可能ないい位置に、今の私はいると思うもの」
多くの人が、驚きうらやむ栄光を手にしてなお、彼女は夢に飢えている。
幼少期と変わらぬ希望の光を瞳に宿し、すべての始まりの地で、彼女は新たな夢を追い始める。
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