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大坂なおみが語ったSNSに長文を
投稿したきっかけ。「衝撃的だった」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 数日前、大坂なおみはツイッターやインスタグラムに、自身の胸中を深く見つめた、エッセイとも言える文章を掲載した。

 最近、多くの親が、「うちの子は、あなたに憧れているんです」と伝えてくる現実。

 子どもたちから、"ロールモデル=お手本"と見られることに伴う重責。

 そして自身が幼少期に、憧れの選手たちから、いかに多大な影響を受けてきたかという記憶――。

インディアンウェルズでもファンが押し寄せて大人気の大坂なおみインディアンウェルズでもファンが押し寄せて大人気の大坂なおみ 宝石のように輝く種々の想いを言葉に置き換えた彼女は、偉大な先達のおかげで壮大な夢を見て、だから自分は今ここにいると気づいたプロセスを誠実につづっていた。

 1年前に優勝したBNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ)の会場を訪れ、多くのファンや子どもたちに、熱狂的な歓喜で迎えられた日のことである。

「私は、注目されることが好きではなかったの。それはみなさん、よく知ってるでしょ?」

 開幕を控えた会見の席で、件の文章を書いた経緯を問われた彼女は、好奇と少しの不安が入り交じる瞳で、こちらの出方をうかがうように問い返した。

「でも今回、会場を訪れ、多くの人が私に話しかけたり、応援してくれる姿を見た時、その理由はなんだろうと考え始めたの。そうして近づいてくる子どもたちをよく見たら、みんなすっごくキュートな仕草で私にサインを求めていた。

 その時に、思い出したの。私も子どもの頃に大会会場に足を運んで、大好きな選手を応援したいと思ったことを。たぶん、この子たちにとって今の私は、幼い頃の私が憧れていた、あの選手たちと同じ存在なんだって......」

 それは目眩がしそうなほどに、衝撃的な気づきだったと、彼女は言った。

「憧れの存在と、夢の始まり」について想いを巡らせ、記憶をさかのぼった時、たどり着く起点はまさに、彼女が今立つインディアンウェルズの地だ。

 大坂が「私のアイドル」と公言するセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)に憧れたきっかけは、そもそもこの大会にある。

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