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全仏4回戦の明暗。ガスケにあって錦織圭に欠けていたもの (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 第1セット第3ゲームで、錦織はいきなりサービスブレークをされたが、第4ゲームをすぐにブレークバック。第6ゲームも錦織がブレークして4-2とし、錦織サービスの第7ゲームデュースの場面で、雨が強くなり試合は中断された。
   
 選手ロッカーに戻ったガスケは、1993年と94年のローランギャロス優勝者であるセルジ・ブルゲラコーチから叱咤激励され、立ち直るきっかけをつかむことになる。

 約1時間後に試合は再開されたが、ここが両者のターニングポイントになり、錦織は、ストロークミス2本で第7ゲームをいきなりブレークされてしまう。

 降雨によって、レッドクレーが水分を多く含んで球脚は遅くなり、さらに水分を吸収したボールも重くなり、錦織は「フィーリングが合わない日でした」とミスを連発した。

 一方、ガスケはマドリードとローマでストロークが浅く入って、錦織に攻撃された反省を踏まえて戦ってきた。

「錦織は大きな武器を持っているから、(ボールを)とにかく深く、そして速くプレーする必要があった」(ガスケ)

 バックハンドが得意のガスケは、バッククロスの打ち合いに持ち込もうとし、バックサイドで主導権を握ろうとした。たぐいまれなテニスセンスを持ち合わせるガスケは、ツアー屈指のシングルバックハンドストロークの名手で、隙あれば、テニスコートのどこからでもリターンやパッシングショットのウィナーを狙ってくる。

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