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神尾米が語る錦織圭「2015年は大変な1年になる」 (2ページ目)

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki photo by AFLO

 もちろん、支えてくれたスタッフへの想いなども、メンタルを強く保てた要因となりました。弱気になりそうなとき、ベンチのコーチが「いけるぞ、いけるぞ!」という表情でいてくれると、選手は頑張れる。そこには日ごろ、「コーチたちとどのようなコミュニケーションを取ってきたか」というのが大きく関係してきます。

 私はそのような気持ちで現役のころを戦っていたのですが、錦織選手はどうなんでしょう? 彼は子どものころからIMGアカデミーに行っていたので、世界を身近に感じていた部分もあるでしょうね。自分から世界へと飛び込んでいったわけですから。

 言葉の壁がないし、世界への精神的な壁もない――。錦織選手がコートに立ったときには、すでに戦う環境が整っていたように感じます。選手として良いプレイができるようになったのに、言葉の壁でコミュニケーションに困った私とは違いますね。今になって当時の自分を振り返ると、言葉や文化の壁は大きかった。選手として力をつけ、「さあ、世界と戦っていこう」と思ったとき、言葉などの壁にぶつかったなんて、今、思えばナンセンスでした。彼はそこを飛び越え、戦うときにすでに環境を整えていたことが、現在の飛躍にもつながっているのでしょう。

 来年、錦織選手にはビッグ4に食い込んで欲しいなと思います。その力は十分にあります。ただ、同時に、「とても大変な1年になるだろうな」とも思ってしまいます。これだけ今季、結果を残したわけですから、他の選手からターゲットにされることでしょう。シーズン終盤に休んでいたラファエル・ナダル(スペイン)もその間にしっかり研究しているでしょうし、トップ選手は出てきた杭を打ちたくなりますから(笑)。そこはやはり、勝負の世界なのです。

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