姫野和樹「読書をしていなかったら、今の自分はない」 マルクスの『資本論』に関心を持ち、渋沢栄一の『論語と算盤』からも影響 (2ページ目)
【今の自分のモットーになっている】
『海賊とよばれた男』の著者でもある百田尚樹氏とは、個人的な接点や交流があったのだろうか。
「2019年のラグビーワールドカップ日本大会の最中に、百田さんの本を愛読しているという記事が世に出て、多くの反響をいただきました。
百田さんからは『ぜひ会いたい』と言っていただいたのですが、時期が時期でしたし、とにかくラグビーに集中したかったのでやむなくお断りしたところ、日本代表チームが泊まっていたホテルにサイン本を届けてくださいました。それこそ『海賊とよばれた男』や、僕が今までで一番好きな本『影法師』をいただきました」
『影法師』は、どのようなところが姫野の心に響いたのか。
「世のため人のため──という義理人情を描いた友情の物語で、主人公の男が優秀な人間を陰で支えながらその夢の実現を目指していく、というストーリーです。
共感できるところが多かった一方で、『果たして自分はそこまでの行動が取れるだろうか』と感じたのですが、自分もそういう人間になりたい、と思うようになりました。これまで3回読みましたが、ラストは3回とも泣きました」
ラグビーは、自らが犠牲となる精神が求められる球技だ。『影法師』はそんなラグビーと向き合う姿勢のみならず、姫野の人としての生き方まで刺激した。
「自分の人生観に多大な影響を与えてくれました。与えた恩は忘れて、受けた恩は忘れずに返す。そういう精神を大事にしていきたいです。それが今の自分のモットーになっていますし、いい影響をもらい続けています」
渋沢栄一の『論語と算盤』からも影響を受けたという。
「何のために仕事をするのか、という内容で、社会のため、人のために仕事するという気持ちがすごく大事だと、あらためて感じた本です。今の世の中、自分の利益を最優先にしている人が多い印象があります。
そんな時代において忘れてはいけないのが、そういった精神性です。自分の利益よりも人のため、国のためになることをする、という気持ちが極めて大切だと感じさせてくれますし、自己犠牲のスポーツであるラグビーにも通ずるものがあります。仲間のために、チームのために尽くす精神を大事にしながら、僕はプレーしています」
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