引退したラグビー日本代表・堀江翔太、歴代指揮官との関係性を明かす「最初はやり方があまり好きじゃなかった」HCとは (2ページ目)
――サンウルブズの経験が2019年W杯ベスト8につながったことは明白でしたね。
そう思いますね! サンウルブズみたいなのを、もう一回やってほしいなと思いますけど、お金的に難しいのかな......。でも、いろんな選手がスーパーラグビーを経験できたという意味で、当時は最悪でしたが、僕もやっぱりサンウルブズを選んでよかった。僕の場合、カンタベリーアカデミーもそうですが、サンウルブズも経験する中で、一回、落ち込んでもどっかで跳ね上がるというのを待ちながら、やり続けなあかんというのは、僕の人生において恥じることではないと思っています。
――一番、印象に残っている指導者は?
まず、ワイルドナイツなら(監督の)ロビー(・ディーンズ)さんやブラウニー(トニー・ブラウン)だし、日本代表だと難しいな......。JK(ジョン・カーワン)、 エディー(・ジョーンズ)さん。ジェイミー(・ジョセフ)と思い出がいっぱいで、誰かひとりという感じじゃない。エディーさんには、今思えば(10年前は)一目置かれていたなという感じがします。当時は、チームを締めるために、怒られ役の選手を何人か置いて、その選手を怒ってというエディーさんのやり方が最初はあんまり好きじゃなかった。勝つためのことやったから、しゃーないとは思っていましたが......。でも僕に対しては怒らず、自由にやらせてくれたので、僕の性格をよくわかっているなと。僕にいろいろ言ったら、余計に調子に乗ったり、逆に考えてうまくプレーできなかったりしたかもしれない。今、(ワイルドナイツ所属の日本代表ベン・)ガンターに聞くと、エディーさん、すごくコミュニケーションを取ってくれて、いいヘッドコーチと聞いて「やっぱり、変わったんやな......」と思います。まだまだ時間があるので、今後どうなっていくかわからないですけど(笑)。
――結果的に、歴代の日本代表の指揮官に重用されていましたね。
そうなんですね。でも、ジェイミーには初め全然、気に入られてなかった(苦笑)。ちょっと喧嘩して、2017年6月のアイルランド代表と2試合したのですが、1戦目は先発でしたが、2試合目は控えで庭井(祐輔/横浜イーグルス)が先発でした。過去にジェイミーがハイランダーズでヘッドコーチをやっている時、ベテラン選手がいっぱいいるときにベテランに潰されているので、僕のことを警戒していたのかも。その年の秋、「もう十分、試合に出たし、日本代表にはもう行きたくない」と思った。でも代理人から「引退した後、嫌な人と仕事をして得することも絶対あるし、学ぶ機会と思って絶対に代表に行った方がいい」と言われて、渋々、遠征に行きましたね。
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