ラグビーW杯メンバーでサプライズ 4年間で出場1試合だけのレメキが選出された理由 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【予想外に多く選ばれたBK陣】

 前回大会より3名増えて、今回のワールドカップには33名が登録できるようになった。ただし現在、日本代表チームは複数のLOがケガを抱えており、さらにはフィジー代表戦でレッドカードを受けたFLピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/34歳)が何試合の出場停止になるか未定なため、それらを見極めてから残り3名のFWを発表する。

 おそらく、ラピースを含めて夏の5連戦で大活躍したLO/No.8アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京/28歳)、2019年ワールドカップ組のLO/FLヘル ウヴェ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/33歳)、身長202cmのLOワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/21歳)、成長著しいFL/No.8下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/24歳)あたりから3名が選出されそうだ。

 ラグビー日本代表は6月から合宿を敢行し、7月から8月にかけての国内5連戦を行なったが、結果は1勝4敗。その内容から「この5試合で活躍した若手や、中軸となっている2019年ワールドカップ組は順当に選ばれるだろう」と予想されていた。

 ジョセフHCは6月の合宿から日本代表36名を絞って発表していたため、サプライズはほとんどないと思われていた。しかし、その予想はやや裏切られた結果となった。

 ワールドカップの予選プールでは、チリ代表、イングランド代表、サモア代表、アルゼンチン代表と、FWの強いチームと対戦する。そのため、33名のバランスは「FW19人、BK14人」もしくは「FW20名、BK13名」もあるのでは......と予想されていた。ところが、いざフタを開けてみると「FW18名、BK15名」(残り3名をFWから選ぶ予定としての人数)だった。

「日本のラグビーは、誰がコーチを務めているかは関係なく、速いプレー、ボールを持って戦うプレー、真のアタッキングマインドを常にアイデンティティとして持っている」

 会見でジョセフHCが話したように、やはりラン、パス、キックで「ボールを動かすラグビー」を主軸に世界と勝負する心づもりのようだ。

 BK陣の選手層に厚みを持たせたのは、そのためだろう。フィジカルの強い中野将伍を入れてCTBを4名、さらにはWTBにも夏の5連戦には出場しなかったが昨季までレギュラーだったシオサイア・フィフィタを選ぶなど、充実した顔ぶれとなった。

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