ラグビーW杯フランス大会で日本代表に「必要なこと」 五郎丸歩が考える「キックの重要性」と「松田力也への期待」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 廣瀬久哉●撮影 photo by Hirose Hisaya

――五郎丸さんが出場した2015年大会で活躍したFL(フランカー)リーチ マイケル選手(ブレイブルーパス東京)、HO(フッカー)堀江翔太選手、PR稲垣啓太選手(埼玉ワイルドナイツ)、WTB/FB松島選手(東京サンゴリアス)もまだまだ健在です。

 そうですね。とくに誰に頑張ってほしい、ということはないですね。ただ(一緒に合宿していた早稲田大学の後輩FB)山中(亮平/神戸スティーラーズ)は、おそらくラストのW杯だと思うので、しっかりと有終の美を飾ってほしいなという思いはあります。

――前回の自国大会はベスト8に入りましたが、アウェーの大会で、日本代表はまだベスト8に進出したことはないですね。

 今大会はアウェーで勝つ難しさが間違いなくあります。世の中的にはベスト4以上という期待がありますが、2015年大会では(予選プールで)3勝しても決勝トーナメントに上がれなかったように、そんなに簡単ではない。その壁というのはかなり高いので、しっかりヨーロッパで行なわれる大会でベスト8に入るということを成し遂げてほしい。

――最後に、ファンにはどこに1番注目してほしいですか?

 日本代表はティア1(世界の強豪トップ10)にこの3年間、勝ってないですが、(W杯では)イングランド代表、アルゼンチン代表を倒して2019年大会同様に全勝して決勝トーナメントに上がってほしい。今大会は(強豪国もそれ以外も)どのチームも試合の間隔が空いていてフェアになった。そのなかで勝ち抜くのは意味があると思います。

――ベスト8に入れば、前日本代表指揮官のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が率いるオーストラリア代表と対戦する可能性もありますね。

 選手たちには、そんなことを考える余裕ないと思うので(苦笑)、予選プールで一番強いイングランド代表をターゲットに挑戦してほしい。日本大会で初めて日本代表はベスト8に入りましたが、ヨーロッパで初めてベスト8に入れば日本のラグビー界自体もさらに評価が上がる。とにかく、初戦からいい形で勝利して、ヨーロッパで初めてベスト8に入って帰ってきてほしいなと思います。

アディダス ジャパン●取材協力

プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る