リーチ マイケルがNo.8で大暴れ。日本は豪州Aに敗戦も「目指している方向性は間違ってない」 (3ページ目)
W杯に向けてプラス材料は?
日本代表は今春から、オールブラックスやイングランド代表でコーチを務めてきたジョン・ミッチェル氏を招聘。個々のタックルはもちろんダブルタックルにも磨きをかけて、練習でも高いタックル成功率を出せるようになっている。試合前半はディフェンスが機能していただけに、後半最後の20分の時間帯での精度が課題となるだろう。
一方のアタックは、敵陣22メートル内でのチャンスは相手より多く作ったものの、トライに結びつける決定力が欠けていた。リーチも「キックのバランスはよかったし、ゴール前でもどんどん前に(ボールを)持っていけたのもよかったけど、敵陣22メートルで3〜4回くらいミスがあった。もっとスコアにつなげていきたい」と反省を口にした。
ただ、今後に向けてプラス材料もある。SO中尾やFL下川甲嗣がデビューを果たし、夏のシリーズで代表から外れていたNo.8(ナンバーエイト)姫野和樹、SH(スクラムハーフ)流大、WTB松島もケガやコンディション不良から復帰したことは大きい。
「キャップ数を見ても、10に届いている選手も少ないし、レベルの高い試合は少ないから、この経験が今後大事になってくる。勝って自信をつけることも大事だけど、高いレベルのチームとやると得るものがたくさんある」(リーチ)
オーストラリアA代表との試合は、10月8日に福岡・ベスト電器スタジアムで第2戦、14日に大阪・ヨドコウ桜スタジアムで第3戦が行なわれる。そして29日に締めを飾るのは、国立競技場でのオールブラックス戦だ。リーチは先を見据えてこう語る。
「もちろん(第1戦は)勝ちたかったですが、自分たちが目指している方向性は間違ってない。いい経験ができているから、前向きに考えています。準備から見直して、あと2戦勝ってオールブラックスと対戦したい」
スーパーラグビーから脱退し、コロナ禍以降は海外チームとの対戦が組めない状況のなか、オーストラリアA代表との3試合はワールドカップに向けて大きな経験や糧となるだろう。ただし、桜のエンブレムがついたジャージーがホームで連敗する姿は見たくない。勇敢な桜の戦士たちの「レジリエンス(復元力)」に期待したい。
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