オールブラックスのハカに興奮。
「ダブルスタンドオフ」がプレーで魅了 (2ページ目)
オールブラックスは23分、SOリッチー・モウンガのPGで3-3の同点に追いついた直後の24分、SHアーロン・スミスがボックスキック。そのハイボールを相手がキャッチミスしたところから、カウンターを仕掛ける。
モウンガがキックパスで右大外にいた22歳のWTB(ウイング)セヴ・リースへ。リースがゲインし、アーロン・スミス、FL(フランカー)のアーディー・サヴェアとつなぎラックを形成。そこから右に展開し、SOではなく「15」番のFB(フルバック)に入っているボーデン・バレット(以下、B・バレット)が中央をブレイクし、最後はフォローしたWTBジョージ・ブリッジが中央にトライ。モウンガのゴールも決まって10-3と逆転に成功する。一瞬の出来事だった。
再び、27分も同じ展開だった。スミスのボックスキックを、南アフリカ代表がノックオン。そのボールを継続し、B・バレットが何度かゲインし、最後はCTB(センター)アントン・レイナートブラウンがラインブレイクし、最後はB・バレットの弟でLO(ロック)のスコット・バレットが中央にトライを挙げ、ゴールも決めて17-3とリードを広げた。
後半、オールブラックスは南アフリカ代表の反撃に合って、19分には17-13まで迫られる。ただ、スクラムで反則を誘うなど要所で強さを見せて、モウンガ、B・バレットのPGで突き放し23-13で勝利した。試合後、リードキャプテンを筆頭に「日本のファンにすごく良くしてもらっているし、オールブラックスのジャージーを着ている人もたくさんいたので、それに恩返ししようと思った」とお辞儀で、日本のファンの声援に応えた。
じつは、オールブラックスのスティーブ・ハンセンHC(ヘッドコーチ)は、今年の7月から2016年、2017年に世界最優秀選手賞に輝き、本来はSOであるB・バレットを、10番ではなく15番のFBに置き、10番にはスーパーラグビーのクルセイダーズ3連覇に貢献したモウンガを起用している。南アフリカと引き分け、オーストラリア代表に敗れるなどしたため、「試すのが遅すぎるのでは......」との批判もあった。
2 / 3