2019.09.23

アイルランドが初戦に快勝。敵将は日本を研究、警戒している選手は?

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 結束の強さである。雨の横浜。28日に日本代表とあたるアイルランド代表が、塊となったFW(フォワード)パワーと鉄壁ディフェンスで宿敵スコットランドを27−3で圧倒した。

今大会の注目選手のひとり。アイルランドのSOジョナサン・セクストン 6万3731人が埋めたスタジアムがアイルランド代表の歌、「アイランズ・コール(アイルランドの叫び)」で大きく揺れる。サッカーとは違い、ラグビーでは英国の北アイルランドとアイルランド共和国のワン・チームとなっているのだ。大合唱に魂が震える。

「Shoulder to shoulder〜♪(肩と肩を寄せて〜)」

 試合後、アイルランドの精神的支柱、37歳のロリー・ベスト主将が満足そうに振り返った。今大会で引退を表明した名HO(フッカー)。

「緊張はあった。でも、とにかく序盤から攻めたかった。FWとBK(バックス)のコンビネーションがよかった。いい立ち上がりだった」

 まずは、キックの応酬。エースのSO(スタンドオフ)ジョナサン・セクストンとSH(スクラムハーフ)コナー・マレーの正確なキックでエリアを稼ぐ。それにしても身長が188cmと190cmのビッグコンビだ。

 前半5分。ゴール前に攻め込み、ラックからSHマレーが左に出すフェイントをかけ、200cmのLO(ロック)ジェームズ・ライアンが右サイドを突いてインゴールに飛び込んだ。職人PR(プロップ)のキアン・ヒーリーがガチッとサポートしていた。

 その8分後は、ゴール前のラインアウトからモールを作り、ベスト主将を軸とした塊となってそのまま左隅になだれ込んだ。SHマレーまで加勢した。前半25分には、スクラムからナンバー8のCJ・スタンダーが右サイド攻撃を仕掛け、最後は右PR、125キロのタイグ・ファーロングがゴールラインを割った。この時はベスト主将が肩を寄せ合っていた。

 このシーン、相手のFL(フランカー)はスクラムに釘付けにされ、タックルに回れなかった。それほど、アイルランドのスクラムのプレッシャーが大きかったのだろう。ゴールも決まり、これで19−3となった。

 マン・オブ・ザ・マッチに輝いたスタンダーが、テレビインタビューで言った。

「家族とチームメイトに感謝したい。僕らのパック(フォワード)は結束が強いんだ。特にセットプレー(スクラム、ラインアウト)では、すごく努力してきたから」

 後半15分。アイルランドらしいトライを加えた。密集裏からSHマレーが右サイドに大きなパントキックを蹴る。180cmの大型WTB(ウイング)のアンドリュー・コンウェイが相手WTBと競り合い、こぼれたボールをFB(フルバック)のジョーダン・ラーマーが持ち出し、ラックからコンウェイがもらって右隅に飛び込んだ。これでボーナスポイントがつく4トライ目。ゴール成功で、24−3となった。

 勝利を確信したのだろう。この直後、軽い怪我を負っていた司令塔のセクストンがベンチにさがった。