日本代表が誇るウィング3人衆。
それぞれの特殊能力は強力な武器だ (2ページ目)
ジンバブエ人の父親と日本人の母親を持つ松島は、桐蔭学園時代から天性のバネとステップで花園ラグビー場を沸かせてきた稀代のバックスだ。2015年のワールドカップでも中心選手として活躍し、2017年度のトップリーグではMVPにも輝いている。
WTBとFBの両ポジションで重宝される松島はPNCを振り返り、カウンターからの攻撃に手ごたえを掴んでいた。
「(WTBとFBの)カウンターの連係がうまくできるようになった。最後の試合(アメリカ代表戦)でも(WTBとして)FBとのコネクションを意識してやった。これからも(うまく連係できるように)やっていきたい」
そして、PNCでトライこそ挙げられなかったが、レメキの調子も上向きだ。笑顔でPNCを振り返る。
「(コーチ陣に)できることが全部できたと言われた。けっこう、いい感じ。マツもケンキも調子いいので。先発なら、ゲームプランを遂行しないといけない。控えなら、ボールタッチをいっぱいしなくてはいけない。(出場できるなら)どっちでもいい」
トンガ系ニュージーランド人のレメキは若かりし頃、オーストラリア・レッズのアカデミーに所属しながら、レンガ職人の手伝いをしていた。そんな折、20歳の時に来日するチャンスを掴むと、7人制ラグビー(セブンズ)日本代表に呼ばれて頭角を現した。
リオ五輪では、世界にインパクトを残す活躍ぶりで、「ドリームセブン(優秀選手)」に選出された。そして、「2015年ワールドカップの日本代表対南アフリカ代表を見て、15人制ラグビー日本代表にも入りたくなった」思いを叶え、2016年からジェイミー・ジャパンの一員としてプレーを続けている。
ただ、15人制ラグビーをやっていると、7人制ラグビーもやりたくなるそうだ。レメキはワールドカップ後、再びセブンズで東京五輪への挑戦を表明している。FW並みのパワーを誇るレメキの能力は、どちらのカテゴリーでも必要とされるだろう。
8月18日から28日まで11日間の網走合宿で日本代表は、「ディテール(詳細)を詰める」「フィットネスを上げる」ことで、さらなるブラッシュアップを図った。そのなかでWTBの3人がSO(スタンドオフ)とともに取り組んでいたのは、「ディフェンス時のバックスリーの連係」である。
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