2019.08.11

ラグビー日本代表、W杯前哨戦で優勝
「ここが僕たちの限界じゃない」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 ジャパンの勝負強さは本物だった――。開幕まであと1カ月あまりとなったワールドカップに向けて、ラグビー日本代表はパシフィック・ネーションズカップ(PNC)で5年ぶりの優勝を飾った。

 現地8月10日にフィジーで行なわれたPNC最終戦で、世界ランキング11位の日本代表はほぼ同じランキングのアメリカ代表(13位)と激突。ともに連勝して迎えた3戦目で、勝利したほうが優勝となる最終決戦だった。

快速を飛ばしてアメリカ代表からトライを奪った福岡堅樹「ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)」こと日本代表は、序盤からリードを奪う展開に持ち込んで前半を20−13で折り返し。相手に押し込まれる時間帯もあったが、フィジー代表戦とトンガ代表に連勝した勢いそのままに、アメリカ代表も34−20で下して3連勝を達成した。

 アメリカ代表は昨年、日本代表がワールドカップで対戦するスコットランドを破っている。近年はFW、BKともに力をつけ、フィジカルな選手が揃うチームだ。キャプテンFL(フランカー)リーチ マイケルは「アメリカ代表は(勢いに)乗ると強い。力強いスタート、力強いフィニッシュ」をテーマに掲げて試合に臨んだ。

 そのキャプテンの言葉どおり、日本代表は前半3分、敵陣5メートルのマイボールラインアウトからキャプテン自身がモールを押し込み、先制のトライを挙げる。これで試合の主導権を掴むと、さらには11分、今度は韋駄天WTB(ウィング)福岡堅樹もトライを挙げ、序盤で17−0と大きくリードすることに成功した。

 ただ、前半15分以降は、急に自分たちのリズムに乗ることができなくなった。リードした気の緩みからか、連戦や移動の疲れからか、もしくは先発を7人替えて臨んだ影響もあったのかもしれない。スクラムでのペナルティ、オフサイドの反則、ノックオンといったミスが続いた。

 その結果、試合の流れはアメリカ代表にグッと傾く。1トライ(1ゴール)と2本のPG(ペナルティゴール)を決められて7点差となり、嫌な流れのまま前半終了となる。後半、アメリカ代表に先にトライを獲られると試合をひっくり返されるかもしれない、という状況に陥ってしまった。