噂の「ルーキー主将」が代表デビュー。姫野和樹、豪州から豪快トライ (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 そして28-63で迎えた後半ロスタイム。姫野は上半身に飛び込んできた相手のタックルを回転していなし、そのままインゴールで豪快にトライ。「前半からボールキャリーに手応えを感じていたので、感覚的にいけると思っていました。相手も疲れてきたので走り勝とうとしたところ、ボールを持った流れでトライできた。いいシーンだったと思います」と、姫野は代表初トライをそう振り返る。

 持ち味である「高いワークレート(仕事量の多さ)」を武器に80分間走り続けた姫野について、ジョセフHCも目を細めた。

「LOに対しては一定の仕事を求めているのだが、姫野は若いながらそこをカバーしてくれた。このレベルの試合でトライも獲れたことは、彼にとっていい経験になったと思う」

 姫野は愛知県名古屋市生まれ。小学校まではサッカーや野球などをやっていたが、御田(みた)中で楕円球に出会うと、すぐにその魅力にとりつかれた。高校は強豪・春日丘(はるひがおか)高に進学し、「花園」全国高校ラグビー大会にも出場。1年生ながら高校日本代表候補に選ばれ、その当時のメンツにはSO(スタンドオフ)/CTB松田力也やSO山沢拓也(ともにパナソニック)がいた。また、高校3年生の終わりには、ひとつ上のカテゴリーであるU20日本代表候補にも選ばれている。

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