噂の「ルーキー主将」が代表デビュー。姫野和樹、豪州から豪快トライ (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「桜のジャージーを背負うことは子どものころからの夢だったので、それを着る責任と誇りをしっかり持って試合に臨みました。ガムシャラにやろう、自分のやれることをやり続けようと思っていきました」

 トヨタ自動車ヴェルブリッツでの活躍が認められ、今秋に初めて代表入りを果たした姫野は、先週の世界選抜との強化試合でもLOとして先発。だが、まだ代表のラグビースタイルに慣れていないことや、ラインアウトのサインを出す「コーラー」を務めていたこともあって、「頭のなかがパンパンで一杯になってしまい、自分のプレーがあまりできなかった」と、自身の出来を悔やんでいた。

 その反省も踏まえ、世界を代表する強豪オーストラリア戦で姫野は「思いっきり自分のプレーをやろう」と心に決めていたという。その決意もあってか、試合前の国歌斉唱では緊張する様子もなく、少し笑顔すらのぞかせていた。

 すると前半4分、姫野はいきなり密集で相手のボールを奪う「ジャッカル」を見せて好調ぶりをアピールする。さらに得意のランやラックからのボールの持ち出しで攻撃にバリエーションを加え、何度もゲインを繰り返した。

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