【ラグビー】今泉清氏が提唱「ワン・フォア・オール・ジャパンで」 (6ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Kyodo News

――サンウルブズの戦いぶり(3月26日現在、0勝4敗)はどう評価しますか?

今泉 よくやっています。マーク・ハメットHCだって、まだ自分で選手を選んだわけじゃないんですよ。それで、ある程度、結果を出しています。奇跡です。まだ、サンウルブズのディフェンスシステム、アタックシステムがシェアというか、共有されていないですけど、それでも十分戦えています。

――試合もおもしろいですよね。

今泉 何がいいかというと、特にレフリーがいい。日本のレフリーみたいにすぐに反則をとらないでしょ。こういう試合を日本でやることによって、日本人レフリーの質が上がるんです。レフリーはそれぞれの選手の持ち味が発揮できるようにする、いわばオーケストラの指揮者みたいなものなんです。ジャッジマンじゃありません。日本ラグビーが強くするためには、いいレフリーをもっとつくっていかないといけないと思います。

――今後、日本ラグビーはどのように進んでいくべきでしょうか?

今泉 ダブルスタンダードを作るべきですよ。早稲田の選手だったら早稲田もあるけど、基本的には「スーパーラグビーや、日本代表を優先しましょう」ってね。なぜかというと、日本代表がW杯で勝ったから、今のラグビー人気があるんです。強化の人も、普及・育成の人も、代表を強くなることを最優先に考えないといけません。代表が勝てるよう、上から裾野まで意思統一して、「ワン・フォア・オール・ジャパン」でいくんです。

【profile】
今泉 清(いまいずみ・きよし)
1967年9月13日生まれ。大分県出身。大分舞鶴高校から早稲田大学に進学。第3列から、ウイング、フルバックへコンバートされ、早明戦、大学選手権で大活躍。卒業後はニュージーランド留学を経て、1994年サントリーサンゴリアス入団。1995年W杯に出場。2001年、現役を引退。現在はテレビ、スポーツ紙で解説者を務めている

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