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【Bリーグ】富永啓生の「ディープスリー」は必見! レバンガ北海道HC「いつも想像を超えてくる」と大喜び (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【前半だけで25得点の固め打ち】

 レバンガは今シーズン、レバンガ初代ヘッドコーチ(2011年〜2012年)でもあるドイツ人のトーステン・ロイブル氏を新たな指揮官に迎えた。日本代表のアンダーカテゴリー(U16、U18)や東京オリンピックでの3×3日本代表で富永を指導し、彼のアメリカ行きにも寄与したロイブルHCがレバンガにいることも、富永にとっては理想的な状況だ。

 果たしてプレシーズンに入ると、富永は初戦から31点、27点と、その得点能力をふんだんに発揮する。相手は富永の動きから目を離していないのに、ステップバックや3Pラインのさらに遠いところからの「ディープスリー」によってディフェンスをかいくぐり、ネットを揺らした。27得点を記録した試合で、富永はそのうち25得点を前半だけであげている。

「彼とは国際大会で4回、オリンピックで1回、ともに戦いました。本人にとっては当たり前にプレーしているだけかもしれませんが、彼は本当にいつも私を驚かせてくれます。長い付き合いにもかかわらず、いつも想像を超えてすごいことをしてくれます」(ロイブルHC)

 変わらぬ目標「NBAでプレーする」ために、3Pだけでなく、中に切り込んでのレイアップやフリースロー獲得、ボール運びなど、プレーの幅を広げようと試みている。富永の相手ディフェンダーを引きつける「重力」には突出したものがあるため、3P以外の技量も伸ばしていくことで、味方の得点機会も数多く創出するだろう。

(つづく)

◆富永啓生・後編>>「3P成功率50パーセント」宣言に渡邊雄太も警戒


【profile】
富永啓生(とみなが・けいせい)
2001年2月1日生まれ、愛知県名古屋市出身。元日本代表センターの父・啓之氏の影響により幼少からバスケットボールをはじめ、桜丘高3年時のウインターカップでは得点王に輝く。高校卒業後はアメリカへと渡り、レンジャー・カレッジを経て2021-22シーズンよりNCAAディビジョン1のビッグ10カンファレンスに所属するネブラスカ大に編入。最終学年にはエースとしてチームをNCAAトーナメント出場に導く。2022年7月にA代表デビューを果たし、2023年のFIBAワールドカップでは得意の3Pシュートでパリ五輪出場権の獲得に貢献した。2024-25シーズンはGリーグのインディアナ・マットアンズでプレー。2025年6月、Bリーグ・レバンガ北海道に加入することが発表される。ポジション=シューティングガード。身長188cm、体重81kg。

著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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