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【Bリーグ】富永啓生の「ディープスリー」は必見! レバンガ北海道HC「いつも想像を超えてくる」と大喜び (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【日本からのオファーは渡りに船】

 入団会見で「富永の年俸は球団史上最高か?」と問われた桜井GMは、言っていいものかわからない様子で口よどんでいた。すると、レバンガの元スター選手で現在は球団社長を務める折茂武彦氏が会見場のどこからか「最高です!」と声を張り上げ、助け舟を出した。

 年俸がチームで過去最高だったとしても、こちらは虚を突かれはしない。富永はそれほどの存在だからだ。

 レバンガが彼を欲したことは、富永にとっても時宜(じぎ)に叶ったものだった。「渡りに船だった」と言ってもいいだろう。

 ネブラスカ大3年時と4年生時の富永は、それぞれ平均25.1分、26.1分の出場時間を与えられ、13.1得点、15.1得点を記録していた。しかし昨シーズン、Gリーグのインディアナ・マッドアンツ(NBAインディアナ・ペイサーズ傘下)では平均7.8分の出場で3.4得点と、力量を発揮する機会はなかなか得られなかった。

 7月にラスベガスで行なわれたNBAの若手登竜門「サマーリーグ」でも、ペイサーズの一員として参加した富永は5試合のうち3試合の出場にとどまり、出場時間も平均12分弱でしかなかった。盟友・河村勇輝のシカゴ・ブルズとの対戦では、コートにすら立てなかった。

 このサマーリーグで初出場となったゲームで、富永は試合終盤になってようやく出番を迎えた。しかし、放った唯一の3Pは惜しくもリングの中を通過することなく、試合後に富永は気丈な話しぶりでこう振り返った。

「30何分ずっと座っていて、急に出て3P ......というのは難しいことではあるんですけど、ベンチにいる時も体を動かしながら、いつ呼ばれてもいいように意識はしています。でも、ずっと試合に出ていてシュートを打つよりは難しい部分があるので、そこはどうすることもできない。集中して1本、1本、打っていくだけかなと思っています」

 NBA入りのために自身の力量をアピールしたい富永が、より長くコートに立っていられる場所を求めていたのは必然だった。

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