バスケ版ヌートバー、ホーキンソンが誓うW杯での活躍「ホーバスジャパンのシステムに僕の多才さは生きる」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke

――日本国籍を取得することも難しい決断でしたか?

JH : その申請のために、日本に6年間以上在住、言葉のテストといった基準を満たさなければいけなかった。だから簡単に考えたわけではないんだ。日本国籍を取得することを考え始めたのは、名古屋での最後の年(2019-20シーズン)だったと思う。

 来日して2、3年くらい経ち、日本での生活が好きになっていた。まだ若かったし、「日本代表でプレーできる可能性がある」と考えるようになったんだ。この国の文化が好きになり、生活が快適に感じられたことで、日本国籍取得の決断もしやすくなったと思う。

――それを決めた際の、ご家族の反応は?

JH : 子供の頃から、両親は私が決めたことは何でもサポートしてくれた。父親はノルウェー、母親はデンマークでプロバスケットボール選手としてプレーした経験があったしね。2人は、僕もいずれ欧州でプレーすると考えていたようで、最初は「なぜ日本に行ったのか」が理解できないようだった。ただ、その後に両親も来日して、僕が心から日本を大好きになったのを見て、2人も日本を愛するようになった。8月のW杯も観にくる予定だよ。

――日本代表の一員として迎えるW杯で、どんな目標を掲げていますか?

JH : チームとしては、トム・ホーバスHCが話していた通りアジアNo.1チームになり、パリ五輪への出場権を得ること。個人としては、2月に初めて日本代表としてプレーしたけど、W杯ではアメリカでプレーしている選手たちも参加するから、彼らといいプレーをすること。どんなチームになるかが楽しみだね。

――自身のプレーは、ホーバスHCのスタイルにフィットすると思いますか?

JH : そう思うよ。ホーバスHCは分析を重視する指揮官で、3Pシュートとレイアップで得点するのを好み、効率の悪いミドルレンジのショットは制限する傾向がある。一方で、システム的には自由で流動的なスタイルを望んでいる。そんなシステムの中で、僕の多才さは生きると思うんだ。

 これまで彼に率いられたチームは、サイズがある選手の3Pシュートを生かすことで成功を収めてきた。それによって、ゴール周辺で力を発揮するフィジカルが強い相手のセンターをペリメーター(3Pラインの外側のエリア)までおびき出すことができる。その点、僕は身長208cmでシュート力、走力があり、近年はディフェンスも向上したから、さまざまな面で貢献できると思う。

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