バスケ版ヌートバー、ホーキンソンが誓うW杯での活躍「ホーバスジャパンのシステムに僕の多才さは生きる」 (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke

【日本で感じる「相互のリスペクト」】

――あなたはカレッジ卒業後、なぜ日本でのプレーを選択したのでしょう?

JH : ワシントン州立大でいいプレーができて、卒業後、5、6つのNBAチームとワークアウトする機会があった。ただ、結局はドラフトにかからず、代理人から「日本も選択肢のひとつ」という話が出てきたんだ。

 日本のチームがスキルがあるビッグマンを求めているだけでなく、僕の性格を考えても「日本の国民性が合う」という話になった。思い返してみれば、日本行きはこれまで受け取った中で最高のアドバイス。LAでのワークアウトで、名古屋が僕のプレーを気に入ってくれて、オファーを受けた。両親とも相談し、「日本こそが最適な場所だ」と説明したんだ。

――日本への適応で難しかった部分は?

JH : それまでと違う生活様式を受け入れること。最初は友人、家族に会えないのがつらく、時差もあるから、彼らと話すために遅くまで起きていた。当初は、新しい文化に溶け込むために日本語を話したり、日本食を試したりすることも積極的にはやらなかったんだ。それでホームシックになってしまって......。

 ただ、自分から新しいことを受け入れ始めたら、すべてが容易になった。崖の上に立った時、もっとも難しいのはジャンプすること。いざ飛び込んでしまえば、それほど問題はなかったね。その後は日本の生活、食事、コミュニケーションなどを楽しめるようになったよ。

――ちなみに、好きな日本食は?

JH : 名古屋に住んでいた頃はまぜそばが大好きだった。信州では、同じくらい美味しいまぜそばの店が見つけられなかったけど、焼き鳥が好きになった。今でも焼き鳥は大好きだね。

――日本の文化が好きになった理由は? 日本で好きなアクティビティはありますか?

JH : 日本人は常に周囲の人間に敬意を払い、助け合う。例えば、アメリカでコンビニに入ったら、「何が欲しいんだ? それは2ドル50セントだ」といった感じで冷たくあしらわれてしまう。しかし日本では、日本語が話せない外国人が何かを買いに来た時、一生懸命に助けてくれる。アメリカ人の間で薄れている相互のリスペクトが、日本にはあるように感じるよ。

 好きなアクティビティは、ゴルフと、温泉に行くこと。温泉には"魔法の癒し効果"があるね。

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