「ポスト八村塁」級の素材が4人も! バスケU19ワールドカップで史上初のベスト8を目指す日本の「秘密兵器」とは? (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文・撮影 text & photo by Kaz Nagatsuka

ジェイコブス晶@2004年4月13日生まれジェイコブス晶@2004年4月13日生まれこの記事に関連する写真を見る<2>
ジェイコブス晶(あきら/19歳/SG/203cm/NBAグローバルアカデミー)

 川島と同様、NBAグローバルアカデミーに所属し、将来を嘱望される逸材がジェイコブス晶だ。

 アメリカ育ちのジェイコブスの名が日本バスケットボール界で知られるようになったのは、コロナ禍のなか日本でのプレー機会を探って帰国し、横浜ビー・コルセアーズのU18チームに加入した2021年のことだった。

 2020-21シーズンには同チームのトップチームで当時B1史上最年少記録となる17歳7カ月でデビューを果たすと、昨年はNBAアカデミーのグローバルトライアウトに合格し、オーストラリアへと移った。

 日本代表ではチームで2番目に高い203cmで、リバウンドなどインサイドの役割も求められる。だが、川島と比べてさらにアウトサイドの技量に秀でており、将来的に国際舞台で勝負していくにあたってはシューティングガードが最もフィットするポジションとなりそうだ。

 オールラウンドな能力をより強く求める動きは、現在のNBAを中心とする世界の潮流でもある。だが、ジェイコブス自身も体がひと回り大きくなって「トータルでうまくなったと思います」とNBAグローバルアカデミーでのエリートレベルのトレーニングを通じて、レベルの上達に自信を深めている。

 ジェイコブスはNCAAディビジョン1のハワイ大に進学する予定だ(関心を寄せた大学は10以上あったという)。同大からは「シュートの確率、身長があってシュートができるのがすごく大きい。そのほかの(ボール)ハンドリングなどのスキルのポテンシャルも高い」(ジェイコブス)という評価を受けた。

 日本代表の雰囲気は、すでに昨年のU18アジア選手権で経験している。だが、大会序盤に故障し、悔しい思いをしている。今回のU19ワールドカップではその悔しさを晴らすと同時に、NBAグローバルアカデミーでの成長を示す機会となる。

 チームの最年長という意識も強く、今大会では自身の技量を示すだけでなく「(相手の)ヘルプが来たらオープンの人を探したり、僕がスクリーンをセットしたりと、チームを勝たせるプレーをしたい」とリーダーシップの発揮も誓う。

 ジェイコブスは6月19日に発表されたワールドカップの代表候補選手にも名を連ねた。遠くない将来でA代表に選出される目標も現実的に見据えている。

「U19で活躍すればA代表が見えてきます。2027年のワールドカップか2028年のロサンゼルスオリンピックには、もう100パーセント、A代表でフルに出たいと思っていますし、できるだけ早く(A代表に)入りたいと思っています」

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