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最高のお手本は「先輩・河村勇輝」168cmのポイントガード轟琉維は「小柄だからこそできることもある」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文・撮影 text & photo by Kaz Nagatsuka

【日本を代表するPGになりたい】

 田臥とは世代が離れているにしても、小柄なPGの活躍ぶりは気になっている。河村は当然として、パスだけでなく3Pやドライブからの得点力もある富樫勇樹(千葉ジェッツ)なども、轟が刺激を受ける選手だ。

 バスケットボールを含めたスポーツ界には『サイズだけはコーチできない』というクリシェ(常套句)がある。轟もこの先、自身の身長と付き合っていかねばならない。

 だが一方で、スピードを生かした攻めや相手を嫌がらせるしつこいディフェンスなどは、小柄だからこそできることもある、と矜持も見せる。

「勇輝さんや富樫選手が、小さくても泥臭いプレーなどでやれていますし、小さい選手だからこそ、そういうところで頑張れるところがあるので、大きい選手よりも小さいほうがいいのかなと思っています」

 河村が高校生だった時と比べて、自身が前者を上回っているところは「今の時点ではないです」と答えた轟。とはいえ今夏、最後は銀メダルを獲得したU18アジア選手権に日本代表の一員として戦い、その力量が国内最上位にあることは間違いない。

 今春からは大学へ進学し、その先は「プロに入って日本を代表するPGになりたい」という轟。田臥、富樫、河村といった、ほかの選手とは一線を画した特別な小柄PGの系譜に今後、彼が入るようになれるかどうかは、やはり、彼の努力次第となる。

「少しプレッシャーもあるんですけど、今はそれがいい意味でのプレッシャーになっていて、自分を向上させてくれています」

 河村は2022年夏、日本代表でデビューを果たし、パス、ドライブイン、激しいディフェンスで大きく成長を見せて、改めて特別な選手であることを知らしめている。彼を追いかける轟にとっては高い目標となる、ありがたい存在だ。

 東京オリンピックも見たし、今年、沖縄で行なわれるFIBAワールドカップにも関心がある。そうした世界大会で日の丸を背負って、日本の司令塔を担うことも、もちろん目指すべきところだ。

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