最高のお手本は「先輩・河村勇輝」168cmのポイントガード轟琉維は「小柄だからこそできることもある」

  • 永塚和志●取材・文・撮影 text & photo by Kaz Nagatsuka

Sportiva注目若手アスリート「2023年の顏」
第15回:轟琉維(バスケットボール)

 2023年にさらなる飛躍が期待される若手アスリートたち。どんなプレーで魅了してくれるのか。スポルティーバが注目する選手として紹介する。

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轟琉維(18歳/福岡第一高)福岡県出身轟琉維(18歳/福岡第一高)福岡県出身この記事に関連する写真を見る 肩にのしかかる重圧は、偉大な先人のあとを継ぐ者の宿命だ。人によってはそれを望まない者もいるだろうし、反対にそれを甘んじて受け入れながら成長につなげる者もいる。

 福岡第一高校のエースガード、轟琉維(とどろき・るい)は後者だ。幾多の全国優勝を達成してきた同校に彼が入学したのも、河村勇輝(福岡第一卒/横浜ビー・コルセアーズ)という高校バスケットボール史上最高級のポイントガード(PG)への憧れからだった。

 100人を超える部員のいる福岡第一で1年生の時からメンバー入りした轟は、2年生時からはエースガードとなった。最終学年となった2022年は、夏のインターハイと新設のU18トップリーグを制し、名実共に国内のこの年代ではナンバー1の司令塔となった。

 今後は当然、プロ入りと日本代表入りが期待される選手となっていく。だが、より高いレベルの舞台になればなるほど、168cmという小柄なサイズが不利になってくる可能性がある。

 世界を見据えて、従来、小柄な選手が多かったPGのポジションでも、身長の高い選手を登用するケースは増える傾向にある。しかし轟は、武器であるスピードと卓越した司令塔ぶりで、サイズの不利を跳ね返しながら高みを目指す。

 最高の手本は、先輩・河村だ。福岡県出身の轟にとって、地元の強豪校に進学することは自然なことではあったが、そのなかで「勇輝さん(の存在)が一番だった」(轟)と同校を選んだ理由に挙げた。

 河村もつけていた背番号「8」を自ら希望して背負ってきたのは、そのレベルに辿り着かんという彼の覚悟の現れだ。

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