八村塁がレイカーズで受け継ぐ「マンバ・メンタリティ」。コービーは今もみんなのなかで生き続けている
コービー・ブライアントがヘリコプター事故でこの世を去ってから、早くも3年の年月が経った──。
事故の直後には深い悲しみに覆われていたNBAも、気づけばみんな前を向き、新しい時代に進んでいる。今でも時々、この試合をコービーが見たらどんな感想を持つだろうか、あの選手の活躍に対してコービーならどんな言葉をかけるだろうかと、頭をよぎることがあるが、以前に比べるとコービーの名前を口にすることも減ってきた。
それでも、彼は間違いなく、今もNBAのなかで生き続けている。若い頃のコービーが見せたダンクのような、派手で目立つ存在ではないが、数々のスーパープレーを支えていたフットワークのように、注意深く見ればあちこちに見つけることができる。
1月26日はコービー・ブライアントの命日この記事に関連する写真を見る たとえば、この数年で成長著しく、今季はMVP候補にもあげられるようになったジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)のなかにもコービーはいる。
子どものころからコービーに憧れて育ったテイタムがNBAに入ったのは2017年、コービーが引退した1年後だ。だから、NBAのコート上での対戦は叶わなかった。それでも、テイタムにはコービーとの大事な思い出がある。
はじまりは、テイタムがNBAに入って1年目のプレーオフを戦っていた時。当時、コービーはESPNで『The Detail』という分析コーナーを担当しており、プレーオフでのテイタムのプレーを取り上げた。
テイタムがそのことを知ったのは、分析動画が公開になった時だった。テイタムは、その時のことを後にJ・J・レディック(元オーランド・マジックなど/2021年現役引退)のポッドキャスト『ジ・オールドマン・アンド・ザ・スリー』でこう語っている。
「練習を終えて、ロッカールームでスマホを見たら、コービーが自分宛にツイートしていたんだ。そのまま、そこで(コービーの分析動画を)20回ぐらい繰り返し見た」
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