渡邊雄太が単独インタビューで語った、デュラント離脱後のネッツでやるべきこと。八村塁のレイカーズ移籍は「衝撃だった」

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ブルックリン・ネッツの渡邊雄太は重要な時間を迎えているのだろう。

 今季の序盤でハッスルプレー、守備力、シュート力を認められた渡邊は、優勝候補の一角と目されるチームで見事にローテーション入りを果たした。一時は3ポイントシュート(3P)の成功率がNBA1位となり、ブルックリンの地元ファンから大歓声を浴びる人気選手のひとりにまで上り詰めた。

NBA5年目、ネッツで躍動する渡邊雄太NBA5年目、ネッツで躍動する渡邊雄太この記事に関連する写真を見る 当初は無保証契約でスタートしたものの、1月10日(現地時間。以下同)には2022-23シーズンの約197万ドル(約2.6億円)の契約が保証されることになった。

 もっとも、82試合に及ぶ長いシーズンで常に順風満帆というわけにはいかない。精度の高い渡邊の3Pは徐々に相手チームに警戒され、研究されるようになった。2023年になって以降、2本以上3Pを決めたゲームは1月28日のニューヨーク・ニックス戦のみ(3本)。ディフェンスでは安定して貢献を続けているものの、マッチアップ次第でプレーイングタイムが少なめになるゲームも出てくるようになった。

 昨年12月は12勝1敗と圧倒的な強さを誇ったチームも、1月8日にエースのケビン・デュラントが右足のケガで離脱してからは3勝6敗と停滞している。優勝を目指すネッツは2月9日のトレード期限までに戦力補強することが予想され、渡邊のチーム内での立場も安泰とは言いきれない。

 NBAで5年目を迎えた28歳の渡邊は、現状をどう見ているのか。デュラントのいない状況にどうアジャストし、後半戦にどんなプレーをしようとしているのか。自身のことだけでなく、カイリー・アービングをはじめとするネッツのチームメイトや、ロサンゼルス・レイカーズへの移籍が決まった盟友・八村塁についてなど、単独インタビューでその胸の内をじっくりと語ってもらった。

【デュラント離脱の影響】

――デュラントの故障離脱以降、当然のことですが、チームのプレーは大きく変わりましたか?

渡邊雄太(以下、YW) : チームにとって、KD(デュラントの愛称)の存在が大きかったのはもちろん事実です。オフェンスにしてもディフェンスにしても、KDはあれほど高いレベルでやってくれていたのだから、抜けたあとはひとりひとりがステップアップしなければいけません。

 KDの離脱直後は、チーム全体でその考えが変な方向にいってしまった感がありました。ボールも人もあまり動けていなかったですし、「自分が何とかしなきゃ」という気持ちがいい意味でも悪い意味でも出てしまっていたんです。ただ、もともとKDがいなくても勝てる力は十分にあるメンバーです。最近は、カイリーが引っ張っていってくれているのは大前提として、ボールも動いているのはいいほうに変わってきた部分です。 

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