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八村塁も渡邊雄太もウィンターカップで主役となった。高校バスケ最後の大会に賭ける5人のスター候補生 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Jiji Photo

 今夏は日本代表としてU18アジア選手権にも出場し、平均9.2得点、8.6リバウンド(大会7位)、4.6アシスト(5位タイ)と万能ぶりで花開いた。とりわけ見惚れるのが、力感なく、かつ弧高く放たれる3Pだ。精度も増しており、ボールをもらってから打つまでの速度も早い。

 今大会は昨年度王者として臨むとはいえ、インターハイ福岡県予選でもトップリーグでもライバル・福岡第一の後塵を拝しており、挑戦者の気持ちで大会に入れるはずだ。湧川が十全なパフォーマンスを見せるのに、それは有利に働くのではないか。

 大濠には今夏、U16アジア選手権でMVPを獲得したほか、U18アジア選手権、U17ワールドカップでも日本を牽引した2年生の川島悠翔という逸材もいるが、ここでは最終学年の湧川を選んだ。

★八重樫ショーン龍(宮城・仙台大学附属明成/3年)

 八村塁&八村阿蓮(群馬クレインサンダーズ)兄弟や山﨑一渉(ラドフォード大)、菅野ブルース(エルスワース短大)ら、過去にウィンターカップを制した偉大な先輩たちに比べて、スケールの大きさで劣るのは否めない。

 それは、昨年まであまり多くの出場機会を得られていなかったことが示しているとも言える。身長が185cmと、八村らのように2mクラスの突出した存在でないこともあるだろう。

 しかし、名将・佐藤久夫監督の率いる明成で鍛錬してきたことが、最終学年になってようやく主力となった八重樫をエースとして恥ずかしくない選手にしている。

 昨年までの大型陣容から一転、今年の明成は高さのある選手が減ったこともあって、ガード陣が主軸だ。今夏のインターハイでは3回戦敗退。強豪ばかりが相手のU18トップリーグも3勝4敗と苦しんだ。ウィンターカップも明成を優勝候補に挙げる識者は極めて少ない。

 だが、八重樫という成長著しい個の選手としてのプレーぶりは、それでも見過ごせない。得意なのは力強いドライブだが、難しい体勢からのレイアップも人並み外れた柔らかい動きからソフトなタッチでボールをネットに通す。3Pも武器で、シュートのアーチが高い。左利きであることからブロックもされにくく、ディフェンスでもそれが生きてくる。

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