八村塁も渡邊雄太もウィンターカップで主役となった。高校バスケ最後の大会に賭ける5人のスター候補生 (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Jiji Photo

「サイズに恵まれなくてもやれる手本」のような彼を見ていると、身長196cmながら日本代表に招集されて光を放ったフォワードの吉井裕鷹(アルバルク東京)を想起させる。中部大学第一は昨年のウィンターカップで3回戦敗退と失意を味わったが、重厚な肉体から柔らかいスキルを見せる万能フォワードかつキャプテンの小澤がチームの先頭を走る。

★中川知定真(長野・東海大学付属諏訪/3年)

 サイズ、手足の長さ、柔らかさ、力強さ......。その多くを兼備し、5年後・10年後を見据えた時、今大会でもっともポテンシャルと伸びしろを感じさせるひとりと言っても過言ではない。

 1年生からチームの主力として活躍してきた中川だが、3年生となった今年はそのオールラウンドな能力に磨きをかけてきた。身長193cmでウイングスパンは2m以上あるとされる。中でも外でもプレーできるSFは厄介このうえない存在だ。

 ビッグマンではあるものの、リングに向かってのプレーが得意。走力もあるためボールプッシュができ、バックコートから自らドリブルでリングをアタックする、いわゆる「コースト・トゥ・コースト」もできる。

 また、シュートのタッチも柔らかく、かつリリースも早い。中に切れ込むと見せかけてステップバックから3Pなど、多彩な技も放つことができる。高校入学前は地元(埼玉)のクラブチーム「Eagle Nest S"tage(ENS)」で個人スキルやバスケットボールIQにも取り組んできた成果だろうが、その技術の高さは相手の守備選手からすれば"悪夢"でしかない。

 今年のU18トップリーグでは、平均21.2得点(全体3位)、3.9リバウンド(同2位)をマークしてチームを全体4位(3勝4敗)に導いた。10月8日の福岡大附属大濠戦は負けたものの3Pを4本決めるなど、34得点、13リバウンドと圧巻のパフォーマンスだった。

 ナイジェリアにもルーツを持つ中川は、高校入学初年度(2020年)のウィンターカップ3回戦の兵庫・報徳学園戦で6本の3Pなどで28得点、15リバウンドを記録。逸材ぶりをアピールしたが、チームは敗れた。

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