「築いたものがすべて吹き飛ぶ」可能性。
Bリーグ残り試合中止への危惧 (5ページ目)
無観客のなかでも多くのファンに見てもらえたのは、プロスポーツ選手としてやるべき仕事は果たせた----。3月15日の試合後、川崎のキャプテン・篠山竜青は、一旦プレーすると決めたからには無用な文句などは言わない、といった感じの、いつもの堂々とした口ぶりで話し始めた。
ただし前日、試合が直前になって中止と発表された時のチームには、「少なからず動揺があった」と言う。しかも、15日の試合(16時5分開始)でさえ、正午すぎまで開催の可否が伝わってこなかったため、「みんな不安に思っていた」と言葉を紡いだ。
選手たちを監督し、彼らに試合を「させる」立場のコーチたちの言葉は、さらに重かった。
通常は淡々とした口調で試合後の取材に応える千葉の大野篤史HC(ヘッドコーチ)は、14日の試合後、抑えようとしても抑えきれない、そんな感情がにじみ出る言葉を発した。
スタンドに客のいない試合は難しかったか、という質問が冒頭で出た。だが、大野氏にとって大事なのは、無観客かどうかではなかった。
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