渡邊雄太は強気の目標設定。「W杯で2勝してアメリカ戦を迎えたい」 (5ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao

 今大会、絶対王者であるアメリカに土をつけるチームは現れるか? そして、それが日本の可能性はあるのか?

 7月、サマーリーグが開催されたラスベガスでの夜。渡邊は八村、馬場、比江島に声をかけ食事会を開いている。

「やっぱりチェコ、トルコは倒さないといけないよね。2勝した状態でアメリカ戦を迎えるのが、ベストだねと話し合いました」

 日本はアジア予選で強豪オーストラリアに、渡邊不在ながら競り勝った。

 しかし、その試合、オーストラリアは2016年リオ五輪の主力メンバーも、ベン・シモンズ(フィラデルフィア・76ers/G)も不在だった。イランに勝った2戦にしても、日本もフルメンバーではなかったが、イランは絶対エース、ハメド・ハダディ(C)が出場していない。日本代表は、まだ本気の世界Aクラスから勝ち星を挙げたことはない。だからこそ、今はまだ黙って牙を研ぐ時間だ。

 アメリカは強い。2006年に日本で開催された世界選手権の準決勝でギリシャに敗れたのを最後に、ワールドカップ、オリンピックといった大舞台で無敗を続けている。

 ただし、サマーリーグに出場した4選手、さらに昨年、日本国籍を取得したニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース/C)を要し、歴代最強の日本代表も一発勝負なら何かが起こることを期待していいだけのメンバーは揃った。21年ぶりとなる自力でのワールドカップ出場は奇跡の序章。来る9月5日、対アメリカ戦。渡邊が、日本代表が、世界を驚かせる準備はできている。

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