2019.08.23

元マイクロソフトCEOのオーナーが歓喜。
クリッパーズが2大スター獲得

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 カワイ・レナード(SF)の顔に笑顔が広がった。

 7月なかば、ロサンゼルスのコミュニティセンターで行なわれた、レナードとポール・ジョージ(SF)のお披露目会見でのこと。オーナーのスティーブ・バルマーが、マイクが必要ないぐらいの大きな声で、「これはすごくクールだ。クールじゃないか! ワーオ!」と叫んだ時だ。バルマーのテンションの高さに、ふだん感情を表に出さないことで有名なレナードも、思わず笑みをこぼした。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

クリッパーズにカワイ・レナードとポール・ジョージが電撃加入 バルマーが「クール」と表したのは、今夏の目玉フリーエージェント選手のレナードと契約し、トレードでポール・ジョージも獲得したことを指している。ふたりのスーパースター選手が加わったクリッパーズは、一気に来季の優勝候補に躍り出た。

 トロント・ラプターズを優勝に導いてキャリア2度目のNBAファイナルMVPを受賞したレナードも、昨季途中で肩を故障するまでシーズンMVP候補に挙げられる活躍をしていたジョージも、攻守の両面でリーグトップの実力者だ。また、ロサンゼルス近郊出身の地元スターでもある。

 実は以前から、ふたりは故郷ロサンゼルスに戻りたがっていると噂されていた。だがその大半は、クリッパーズではなく、レイカーズに移籍するという噂だった。

 それも当然だろう。ロサンゼルスでは、数年前まで低迷していたクリッパーズの影は薄く、16回のNBA優勝を果たした名門レイカーズのほうが花形チームである。過去にレイカーズを蹴って、クリッパーズと契約したスーパースターはいなかった。つまりそれだけでも、今回のお披露目はクリッパーズにとって歴史的な日なのだ。

 クリッパーズは今、新しく生まれ変わろうとしている。2014年にバルマーがオーナーになってから少しずつ変化していったが、この2年ほどで本格的にバルマー色が出始めた。昨季からコーチ陣の体制を組み換え、フロントに多くの人材を投入し、メディカル系のスタッフも増強した。