渡邊雄太は強気の目標設定。「W杯で2勝してアメリカ戦を迎えたい」 (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao

 サマーリーグ後半は欠場しましたが、プレーできないことはない状態でした。でも、グリズリーズサイドから『かなりいいプレーができることを証明してくれた。このあとはワールドカップも控えているから無理しないでいい』と言われたので休みました。シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)と診断されましたが、そもそもふくらはぎに多少の痛みがあったので検査に行ったら、脛の内側の骨が痛んでいることがわかったという程度のものです。だから、ワールドカップへの影響はまったく心配していません。ベストな状態で大会を迎えられる」

今年のサマーリーグでもしっかりと存在感を残した今年のサマーリーグでもしっかりと存在感を残した 成長を実感しながらも、その上昇速度を緩めることはできない。世界最高峰のNBAを目指す者として、一瞬たりとも立ち止まれないことを渡邊は知っている。

 6月のドラフトで話題を呼んだザイオン・ウィリアムソン(ニューオリンズ・ペリカンズ/F)のみならず、渡邊の所属するグリズリーズに1巡目2位で指名されたジャ・モラント(G)のように、毎年のように未来のスーパースター候補がNBAの門を叩く。NBAに居場所を確保しようとする者にとって、現状維持は即脱落を意味する。それでも過酷な生存競争を「楽しいです」と渡邊は笑う。

「そこが、自分がずっと行きたかった世界です。最初からこうなることはわかって挑戦しているので。焦りというか、やらなければ落とされるという危機感を常に持ちながら、今の状況を楽しめています」

 ただ、今の日本代表をけん引するのは渡邊だけでない。

 今夏、日本人選手は渡邊を含め、ドラフト1巡目9位でワシントン・ウィザーズに指名された八村塁(F)、馬場雄大(アルバルク東京/SF)、比江島慎(宇都宮ブレックス/G)の4人と史上最多人数がサマーリーグに参加した。

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