NBAセミファイナル、王者ウォリアーズはカリー復帰で弱くなるのか? (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

ゴールデンステート・ウォリアーズ(2位/58勝24敗)
vs.
ニューオーリンズ・ペリカンズ(6位/48勝34敗)

 ファーストラウンドでは第3シードのポートランド・トレイルブレイザーズ(49勝33敗)を4勝0敗でスウィープ。終盤までもつれるだろうという予想を大きく裏切り、第6シードのペリカンズがあっさりとカンファレンス・セミファイナルに駒を進めた。

 チームを躍進させた主役は、アンソニー・デイビス(PF)とレイジョン・ロンド(PG)だ。ファーストラウンド4試合で、デイビスはリーグナンバー1の平均33.0得点、ロンドもリーグナンバー1の平均13.3アシストを記録。2選手で完全にコート内を掌握し、トレイルブレイザーズを圧倒した。

 対するウォリアーズは、エースのステファン・カリー(SG)を左ひざの故障で欠きながらも、スパーズとのファーストラウンドを4勝1敗で勝ち抜いている。ケビン・デュラント(SF)とクレイ・トンプソン(SG)が好調で、ファーストラウンドではふたりで1試合平均50.8得点を記録する暴れっぷりだった。

 すでに始まったペリカンズとのカンファレンス・セミファイナル第1戦でも、デュラントが26得点、トンプソンが27得点をマーク。またもふたりで得点を積み重ね、123−101というハイスコアゲームで初戦を制している。

 これだけ強いウォリアーズに第2戦から復帰予定のカリーが加われば、ペリカンズのつけ入る隙は微塵(みじん)もないように思える。しかし、そう単純な足し算にはならないのが、バスケットボールの醍醐味なのかもしれない。昨季の覇者ウォリアーズが敗れる可能性は、カンファレンス・ファイナルよりもこのラウンドのほうが高いのではないだろうか。

 3月23日から欠場しているカリーがコートに戻ってくるためには、当然ながらゲーム感や本調子を取り戻す時間が必要となる。また、チームケミストリーの再構築も欠かせず、カリーの復帰初戦からフルスロットルで戦うというわけにはいかないはずだ。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る