NBAセミファイナル、王者ウォリアーズは
カリー復帰で弱くなるのか? (2ページ目)
しかし、今季のハーデンとロケッツが同じ轍(てつ)を踏むとは思えない。ハーデンのプレータイムにさほど変化はないものの、クリス・ポール(PG)の加入でボールを預けられる時間が増加し、肉体的にも精神的にもハーデンの疲労は大きく軽減されているからだ。
そもそも今季開始直後、ロケッツのダリル・モレイGMが「どうすればウォリアーズに勝てるかに執着している」と発言したように、カンファレンス・ファイナルで対戦するであろうウォリアーズに勝つために作り上げたのが、今季のロケッツだ。セカンドラウンドぐらいでつまずくつもりは毛頭ない。
対するジャズからすれば、そこが唯一のつけ込む隙になるのかもしれない。開幕前にエースのゴードン・ヘイワード(SF/ボストン・セルティックス)を放出し、チーム力ダウンが囁(ささや)かれたジャズだったが、ファーストラウンドではスター軍団のオクラホマシティ・サンダーを4勝2敗で撃破。ロケッツの意識が少しでもカンファレンス・ファイナルのほうに向くことがあれば、もしかして......。
ジャズで注目すべきは、やはりルーキーのドノバン・ミッチェル(SG)だろう。レギュラーシーズンでは平均20.5得点だったが、プレーオフに入ると平均28.5得点まで上昇させている。サンダーを葬った第6戦では38得点を記録するなど、すでにルーキーという枠では語れない選手だ。
ただ残念なのは、ファーストラウンド第3戦で26得点・ 11リバウンド・10アシストのトリプルダブルを記録したリッキー・ルビオ(PG)が第6戦で左ハムストリングを痛めてしまったことだろう。10日間ほどの休養が必要の見込みと診断されてしまった。
ジャズの勢いは認めるものの、ロケッツ有利は揺るがない。不利なジャズが勝機を掴むためには、レギュラーシーズン1試合平均99.8失点でリーグナンバー1に輝いたディフェンス力でロケッツを封じ込めるしかないだろう。ファーストラウンドでサンダーを100点以下に抑えた試合は3戦3勝。無敗を誇っている。今プレーオフ平均110.4得点のロケッツを100点以下に抑えるのは至難の技だが、そこが勝敗を分けるポイントとなるのは間違いない。
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