NBAプレーオフ、東は不穏なムード。キャブス敗退ならレブロン移籍か (4ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 再建を急いだ理由は明確である。今夏、レブロンがオプションを破棄してFAになる可能性が高いからだ。来季の契約候補はキャブス以外に、76ers、レイカーズ、ヒューストン・ロケッツが噂されており、レブロンは契約するチームの条件として「優勝できる環境」を求めている。今季キャブスが優勝に絡めなければ、レブロンはあっさりとチームを離れる可能性も十分にあるため、再建を急がざるを得なかったのだ。

 しかし、対するペイサーズはクセ者だ。FAになって見返りなくポール・ジョージ(SF/オクラホマシティ・サンダー)を失うよりはマシと、ペイサーズは昨オフにビクター・オラディポ(SG)とドマンタス・サボニス(C)との引き換えにジョージを放出。その決断は功を奏し、オラディポは平均23.1得点の大活躍を見せ、サボニスも貴重なバックアップとして平均11.6得点・7.7リバウンドの好成績を残している。

 ペイサーズはオラディポ以外のスーパースターが不在のチームで、10人をローテーションさせて総合力で勝負するスタイルだ。派手さはなくとも機動力とシュート力を兼ね備えた選手が多く、対戦相手に合わせて選手を変え、その日好調な選手がプレータイムを長くする。

 レギュラーシーズンで対戦した4試合は、キャブスのロスターが一変するトレードデッドライン前の対戦とはいえ、3勝1敗でペイサーズが勝ち越している。レブロンがキャブスのユニフォームを脱ぐ日が想像以上に早く訪れても決しておかしくはない。

 イースタンのファーストラウンドは、どのカードで波乱が起きても不思議ではないだろう。出場8チームのシードこそ確定したが、イースタンの覇権の行方は今なお、ゆらゆらと揺れ動いている――。
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