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【NBA】デイミアン・リラードの怒り
「僕はステファン・カリーじゃない」 (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 その第一歩として、リラードは夏にチームメイトたちに声をかけて、NBAチームとしては珍しい夏の合同自主練を企画し、リーダーシップを発揮した。夏の練習だからといって手を抜くことはなく、誰よりも早くコートに行き、誰よりもハードに練習し、若い選手たちとコミュニケーションを取り、アドバイスもした。

「新しい方法を見つけるのが大好きなんだ。何か変えることができるものを見つけなくてはいけない」とリラード。人についていくよりも、自分で道を選び、人の前を歩く、まさにリーダータイプだ。

 昨シーズンまでは主にプレーでチームを率いていたが、今シーズンはプレーだけでなく、意識して言葉でもチームを叱咤激励した。そしてシーズンが始まってからも、練習中や試合中にチームメイトが怠けたプレーをするのに気づくと、遠慮せずに指摘するようにもなった。

 シーズン前、リラードは言っていた。

「僕自身がタフにならなくてはいけない。みんなが喜ぶようなことでなくても、進んでやらなくてはいけない」

 昨シーズンのトレイルブレイザーズはノースウェスト・ディビジョンで首位となり、第4シードでプレーオフに出場している。ただ、今シーズンはベテランが抜けたことで、開幕前から低迷が予想されていた。しかし、そうやって低く評価されたことが、予想を覆そうとする若手の気持ちをひとつにまとめた。常に周囲を見返そうとしてきたリラードと同じような気持ちを、他の選手たちも共有するようになったのだ。

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