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【NBA】デイミアン・リラードの怒り
「僕はステファン・カリーじゃない」

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 それは、何気ないひと言だった。

「彼は素晴らしかった。ステフ・カリーのように見えた」

トレイルブレイザーズを牽引するデイミアン・リラードトレイルブレイザーズを牽引するデイミアン・リラード ゴールデンステート・ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)は、2月19日の試合後にそう言って、対戦相手であるポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラード(PG)を称賛した。ヘッドコーチになる前に解説者をしていたカーは、メディア受けする表現をよく知っている。これも、そんな表現のひとつだった。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 この日のデイミアン・リラードは自己最多記録の51得点を挙げ、トレイルブレイザーズを勝利に導いていた。記録的なペースで勝ち続けるウォリアーズに、今シーズン5つ目の黒星をつけたのだから、それだけでも大ニュースだった。ディフェンスを翻弄するかのように、畳み掛けてシュートを決めるリラードは、この日対戦したウォリアーズのエースで、昨季に続いて今季もリーグMVPが確実と言われるステファン・カリーに通じるところもあったから、カーの言葉自体、的外れというわけでもなかった。

 カーのコメントだけで終わっていれば、リラードも聞き流したかもしれない。しかし、カーが描写した、「カリーのような活躍をするリラード」というイメージは、その後も彼についてまわった。

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