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【NBA】リバウンド王がいつも周囲を笑わせている理由 (4ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 もっとも、それとは対照的にフリースロー成功率の低さは、同じくフリースローが苦手だったチェンバレン以下。キャリアを通して4割前後で、今シーズンも39.2%と低迷している。当然、相手チームはわざとファウルしてフリースローを打たせる「ハック・ア・ジョーダン作戦(※)」を仕掛けてくるが、そのことでフラストレーションを感じることは、以前と比べてなくなったという。

※ハック(Hack)=ボールを持っている選手の腕をはたく反則。

「フリースローを決めるか、相手チームの攻撃を止めさえすればいいだけのこと」と、割り切れるようになったと語る。

 そして現在、ジョーダンの個人的な目標は、リーグの最優秀ディフェンス賞だ。

「現役の間に2度ぐらいは獲りたい。ディフェンスこそ、僕がこのリーグにいる理由で、力を入れていることだから」

 だが、その一方、「自分がコントロールできない賞レースに、こだわりすぎないようにもしている」ともいう。それは5年前、ジョーダンが所属していたテキサスA&M大学で後輩になるはずだった年下の友人が、交通事故によって17歳の若さで命を落としたとき、「すべてのことは一瞬で奪い去られてしまうかもしれない」と痛感したからだ。

「だから、人生をできるだけ楽しみ、物事を深刻に受け止めないようにしている」

 そして今日も、デアンドレ・ジョーダンのまわりには、笑い声があふれている。


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