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【NBL】新リーグ1年目を終えて。新たな取り組みの成果は? (2ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kaz
  • photo by Konagayoshi Yoko

 またプロチームが増えたためか、NBLでは外国人ヘッドコーチが極端に増えた。今季開幕時では12チーム中10チームが海外から指揮官を招聘して臨んだ。しかもこの競技の母国・米国だけではなく、クロアチアやスペイン、リトアニアといった欧州のバスケ強国出身のコーチも多く、それだけでも随分とプロらしさを感じさせた。

 外国人だからすべて良いとはもちろん言えないが、こうした外国人指揮官の中には米国の強豪大学やNBAでのプレイ経験があったり、欧州クラブでタイトルを獲得するなど実績と知識を豊富に持つコーチたちもいた。いわば「世界基準」を知るコーチ陣から指導を受ける機会に恵まれるということは、国際的に長らく低迷する日本の男子バスケットボール界全体にとっても好影響を及ぼすのではないか。

 リーグ事務局の努力も総じて評価していいだろう。NBLファイナル直前の会見で、同リーグの山谷拓志専務理事の説明では、スポンサー・サプライヤー収入やオールスターゲームやプレイオフといったリーグ主管試合でのチケット収入、また経費・原価の圧縮によって、初年度のリーグ収益は約3.4億円を見込んでいるという。JBL最終年のそれが約2.76億円だったというから、わずかながら前年を上回っている。

 バスケに限らずこれまでの日本の実業団スポーツには「リーグ運営でカネを稼ぐ」という意識は恐らく少なかったであろう。しかし、今後は2016年に新たなプロリーグができるという話もあり、NBL自体、バスケットボールをメジャーにするという大きな理念を掲げているのならば、さらにリーグを大きなビジネスに育ててもらいたい。

 ただこの努力はリーグだけが払ってもだめで、加入球団も一蓮托生でなくてはならない。バスケットボールをメジャーな存在にするならば、各球団が競技面、運営面でも高いレベルで切磋琢磨していかねば、それも覚束(おぼつか)ない。

 1年目の今季の段階では、まだそれがほとんどできていないというのが実情ではないか。その原因のひとつがプロ球団と企業球団の資金力から来るギャップだ。

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