2014.05.20

【車椅子バスケ】世界を見据えて。
エース藤本怜央が日本選手権で掴んだもの

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 久しぶりに興奮した熱戦だった。18日に東京体育館で行なわれた車椅子バスケットボールの日本一を決める「内閣総理大臣杯争奪 第42回日本車椅子バスケットボール選手権大会」の決勝。史上初の大会6連覇をかけて挑んだ宮城MAXと、若手が台頭する名門・千葉ホークスが勝ち上がり、激しい攻防戦を繰り広げた。

宮城MAXのエースであり、日本代表のエースでもある藤本怜央 試合は、序盤から国内随一の高さを誇る千葉ホークスが、当たりの激しいディフェンスで宮城にプレッシャーをかける。リバウンドも強い千葉を前に、宮城はなかなかシュートを決められない。

 千葉は攻撃でも、日本代表の土子大輔が果敢にシュートを放ち、前半終了時点で23-26とリード。第3クォーターの終盤、宮城の敗色がにじみはじめた矢先だった。決勝でシュートの決定率が低迷していた自らを奮い立たせるかのように、宮城の大黒柱・藤本怜央がインサイドに切り込み、ファールを受けながらもゴールにねじ込んだのだ。これで宮城が逆転。

 その後、どちらも譲らぬ一進一退の攻防が続いたが、最後はディフェンスでリズムを掴んだ宮城が試合巧者ぶりを発揮。52-49で千葉を振り切り、史上初の6連覇を飾った。

 試合終了のブザーが鳴ると、優勝の行方を固唾(かたず)を飲んで見守った観客や関係者は、大きな拍手で両者をたたえた。前回大会には出場さえできなかった名門・千葉の見事な復活劇、そして不屈のメンタルとチームプレーで、その勢いを跳ね返し、王者の意地とプライドを見せつけた宮城を賞賛したかったのだろう。

 そんな中、今大会4試合に出場して150得点を挙げ、宮城の偉業達成に貢献した藤本は、センターコートで安堵の表情を浮かべていた。