【NBL】新リーグ1年目を終えて。新たな取り組みの成果は?
5月24日、代々木第二体育館。古豪・東芝ブレイブサンダース神奈川がナショナルバスケットボールリーグ(NBL)・ファイナルで、プロ1年目の球団、和歌山トライアンズを3連勝で下して王座に戴冠。残念ながら和歌山の主力外国人選手が故障で一方的な展開となってしまったが、いずれにしても旧日本バスケットボールリーグ(JBL)を引き継ぐ形でスタートした新リーグの初年度が終わった。
NBL初代王者に輝いた、東芝ブレイブサンダース神奈川 ここで、昨年9月に12チームで開幕したこの新リーグの1年目を振り返ってみたい。
新たな試みを散りばめたNBLだが、それまでのJBL時代との最大の違いはプロ球団が増えたこと。JBLでもリンク栃木ブレックスやレバンガ北海道といったプロ球団が存在していたものの、大半はトヨタや三菱といった企業チームで、まだまだ「実業団リーグ」の感が否めなかった。これがNBLになってプロ7チーム、企業5チームと、プロと企業チームの数が逆転することで、よりプロリーグに近い形となった。
また、自主興行が義務化されたこともリーグをよりプロらしくさせる要因となった。自主興行とは、すなわち自らのホームゲームの運営は各球団が担うということだ。当然ながら集客も各球団が努力せねばならなくなった。これはチケット収入が直接的に球団収益につながる上記のプロ球団にとって、とりわけ死活問題である。こうしたプロ球団を中心に、NBLではこれまでのJBL時代と比べて、エンターテイメント面を含めたファンサービス、グッズ販売、各地域・行政との協力関係の構築などが、より積極的にに行なわれるようになってきた。
NBLは純然たるプロリーグではなく、上記のエンターテイメント面やファンサービスの面では「先輩」と呼んでいいbjリーグにはまだ及ばないものの、それでも旧来の親会社の福利厚生を主目的とした企業チームが中心であった「実業団リーグ」という印象からは一歩脱却したように思える。
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