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【車椅子バスケ】世界を見据えて。
エース藤本怜央が日本選手権で掴んだもの (3ページ目)

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 昨年夏、ロンドン後の新体制として、及川晋平ヘッドコーチが指揮する新生ジャパンが発足。ふたりは、話し合いの場を持った。

「日本が世界の中でもうひとつ上を目指すために、『自分がチームを強くするんだ』という責任を誰かが担わなければいけない。中核の選手が引っ張るのがチームのあり方だと思う」と、及川コーチ。それに対して、「10年間、日本代表として戦ってきて、エースはどうあるべきか考えてきた」と言う藤本は、かくして、リオを目指すチームのキャプテンを担うことになった。

「世界選手権は、キャプテンという立場でプレーする初めての大会。(強化合宿を重ね)いい調子で来ているので、すごく楽しみ」

 さらに藤本は、この春から、競技に専念できる環境を求めて、原則出勤なしの「障害者アスリート雇用」を利用して転職。バスケットボールのことのみを頭に描きながら日々のトレーニングに励み、そのモチベーションを高めている。

 現在、30歳。円熟期を迎える2年後のリオだけでなく、6年後の東京も見据える。

「チームの誰一人として、(戦術が)わからないとか脱落するとかいうことがないように、若手も支えられるようなキャプテンになっていきたい」

 真のエースを目指す藤本は、アグレッシブに戦う過去最強の日本代表を作り上げ、チームを牽引していくつもりだ。

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